ドラッカーコラム <経営者の課題>
ドラッカーに学ぶ経営者の課題 伸びる会社の社員が持つもの
責任に重点を置くことによってより大きな自分を見るようになる。うぬぼれやプライドではない。誇りと自信である。一度身につけてしまえば失うことのない何かである。目指すべきは、外なる成長であり、内なる成長である。
ピーター・ドラッカー『非営利組織の経営』
責任を感じされることができれば動機づけは不要
“社員が充分に能力を発揮していない!”。そんな言葉を経営者の方からよく聞きます。その原因のひとつとして、社員に責任を持たせていないことが考えられると思います。都内にあるソフトウエア開発会社に優秀な社員がいました。彼はその会社の子会社の社長に抜擢され、その子会社の運営は、すべてその彼に任されるようになりました。彼は以前、、「新人が一人前になるのに最低3年はかかる」と主張していましたが、社長となった半年後、「新人は半年で一人前になる」と言っていました。
実際に、その子会社の新人は、半年で一人前の仕事をできるようにさせていました。「3年かかる」という考えが「半年でできる」という考えに変わったのは、そう考えさせるだけの責任が彼に発生したからです。
「自分の仕事の最終責任者は、自分自身である」と認識している人は、能力以上のことを発揮しようとしていますし、事実、発揮しています。まさに、経営者が自分の会社を経営しているのと同じ状態です。「自分の仕事の最終責任者は、自分自身である」といった責任感が、自分の持つ能力を高めていくのだと思います。人は、動機づけなどしなくても、責任を持たせてあげれば、自分で考え、自分で決め、自分で動くようになるのだと思います。
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